防錆紙(ぼうせいし)

正式には「気化性防錆紙」と呼ばれ、金属の錆を防ぐために錆止めの薬品、気化性防錆材を紙に塗付または含浸させたものです。
ベースペーパーの両更(未晒し)クラフト紙(厳密にはペーハー(PH)管理された未晒し中性紙)を使用したものが一般的です。
気化性防錆紙は紙に含浸している気化性防錆材が、常温にて気化し、防錆ガスを発生させます。そのガスが金属の回りを包み込み、金属表面の水分に徐々に溶解して、防錆効果を発揮します。水に溶解した防錆ガスは、分子またはイオンとして金属表面に吸着して金属を防錆します。
ベースペーパーの両更(未晒し)クラフト紙(厳密にはペーハー(PH)管理された未晒し中性紙)を使用したものが一般的です。
気化性防錆紙は紙に含浸している気化性防錆材が、常温にて気化し、防錆ガスを発生させます。そのガスが金属の回りを包み込み、金属表面の水分に徐々に溶解して、防錆効果を発揮します。水に溶解した防錆ガスは、分子またはイオンとして金属表面に吸着して金属を防錆します。
なお、気化性防錆紙の防錆材は空気中にふれると常温にて空気中に気化してしまいます。
(もちろん、気温が高いほど気化するのが早くなります)
金属を包装した際にPE袋などで完全に密封した上でその防錆ガスが逃げないようすることで防錆効果を高めます。また防錆紙と金属との相性がございますので、その金属に適した防錆紙を選択の上で、ご使用下さい。
※開封後、防錆紙を保管する際もPEラミネート紙などで完全密封したうえで直射日光の当たらない、気温が比較的低いところでの保管が必要です。
当社では主に、防錆紙メーカー、アドコート株式会社の「アドパック」または王子エフテックス株式会社(旧王子特殊製紙)の「OJI-VCI(※)」を販売しております。どちらのメーカーも1000mm×100mのロール品、1000mm×1000mmシートカット品が規格品になっておりますが、当社では規格外の様々な寸法の防錆紙を製造しております。
※2017年秋より、王子エフテックスのKS-VCIはOJI-VCIに名称変更並びに印刷内容が変更となりました。詳しい内容はこちらより御確認下さい。

当社取扱いの気化性防錆紙の仕様表
こちらに表記しているものは各メーカーにてよく使用されているものを、当社でピックアップして作成しました。
他の種類の気化防錆紙もございますが、ほぼ受注生産となります。ご希望の場合は一度ご相談下さい。
各商品、規格品として1000mm×100mの巻き紙(ロール)、または1000mm×1000mmの平判(シートカット)が一般的です。
また別寸の巻き加工やシートカットも製造可能です。ご希望の場合は一度ご相談下さい。
メーカー名「商品名」 | アドコート 株式会社 商品名「アドパック」(含浸タイプ) |
王子エフテックス(株) 商品名「OJI-VCI(※)」(含浸タイプ) |
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対応する金属 | 鉄、鉄鋼用 | 鉄、鉄鋼用 | ||
品番 | GK-7 (M) | GP-7 (M) | Fe(フェロブライト) U-35 |
Fe(フェロブライト) U-35P |
ベースとなる紙 | 75g/㎡クラフト紙 | 75g/㎡クラフト紙 +PEラミネート |
60g/㎡クラフト紙 | 60g/㎡クラフト紙 +PEラミネート |
対応する金属 | 銅、銅合金 | 銅、銅合金 | ||
品番 | CK-6(M) | Cu(キューブライト) U-35 | ||
ベースとなる紙 | 60g/㎡クラフト紙 | 60g/㎡クラフト紙 | ||
対応する金属 | 鉄、 非鉄金属共用 | 鉄、 非鉄金属共用 | ||
品番 | SK-7 (M) | SP-7 (M) | Fe(フェロブライト) U35 SS-1 |
Fe(フェロブライト) U35P SS-1 |
ベースとなる紙 | 75g/㎡クラフト紙 | 75g/㎡クラフト紙 +PEラミネート |
60g/㎡クラフト紙 | 60g/㎡クラフト紙 +PEラミネート |
メーカー名「商品名」 | アドコート 株式会社 商品名 「アドパックホワイト」 (長期鉄鋼用塗工タイプ) |
王子エフテックス(株) 商品名「OJI-VCI(※)」(含浸タイプ) |
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対応する金属 | 鉄、鉄鋼用 | 鉄、鉄鋼用 | |||
品番 | TK-610 (M) | TK-810 (M) | TP-810 (M) | Fe U-45 | Fe U-45P |
ベースとなる紙 | 60g/㎡ クラフト紙 |
75g/㎡ クラフト紙 |
75g/㎡ クラフト紙 +PEラミネート |
80g/㎡クラフト紙 | 80g/㎡クラフト紙 +PEラミネート |
※2017年秋より、王子エフテックスのKS-VCIはOJI-VCIに名称変更並びに印刷内容が変更となりました。
詳しい内容はこちらより御確認下さい。
使用上のご注意
- 対象金属の組成によっては防錆紙が悪影響を及ぼす可能性がございますので、事前に確認、試験の上にご使用下さい。
- 金属を包装する前は汚れを十分に落としてきれいにしてください。またできるだけ早く包装してください。
- 防錆紙には基本的に印刷が入っており、気化防錆材が含浸(塗工)している面は印刷のない面になります。印刷のない面を内側に、印刷面を外側にて包装してください。
- できる限り金属に密着するよう、スキ間のないように包装してください。
- また包装した商品をポリ袋などで密封して、防錆ガスが逃げないようにして下さい。(PEラミネートを貼った商品はラミ面により防湿性に優れ、防錆ガスが気化するのを防いでくれます)
- 開封後、防錆紙を保管する際もPEラミネート紙などで完全密封したうえで、直射日光の当たらない、温度が低いところでの保管が必要です。